2017年夏 心魂プロジェクトの活動(国内)への支援

戸沢財団は、2015年頃より、心魂プロジェクトの活動費用の一部について支援を続けています。
(心魂プロジェクトについては、https://www.cocorodama.com/をご覧ください。)

全国各地で、様々な病気と闘う子どもたちへ、ふと治療と向き合う時間を忘れ、
心から楽しいと思える時間を過ごして欲しいという想いで、
2017年夏は、下記の公演について、移動費等の活動費用を支援しました。

 
①7/17(月・祝) 茨城県つくば市「医療的ケアを必要とする子とその親の会」 無償公演

医療的ケア、というのは、主に気管切開をした重症心身障がいの子ども達のことです。
この日は会の立ち上げ第一回目の交流会となっており、この集まりをきっかけに、今後、退院後の子ども達のサポートを充実されていこうとする親たちの熱気にあふれていました。

気管切開をしていると、交通機関などの利用も制限されるとのこと。退院後ほとんど外に出た事のない子どもも多いため、おそるおそるイベントに参加したご家族も多い様子でした。目がほとんど見えない子もいたため、できる限り触れ合いを大切にした1時間のプログラム。癒されましたという声が沢山あがりました。

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病状による理由から、普通の知能を持ち合わせていても退院後に普通学校に通うことも家から出ることも難しいそうです。今回は、病院に居る時以上に親子共々孤独になりがちな子供たちに向けたイベントです。
受け入れられる学校側に知識のある人材が極端に少ないこともあり、医療的ケアを必要とする子は学校自体に通うこともままならず、友達を作るチャンスが少ないそうです。
そんな子供たちに公演を楽しんでもらうことはもちろん、本公演が「外に出かけられた!外出を楽しめた!」という成功体験となり、外に出かけるきっかけや前に進む勇気となることを心より願います。

 
②7/24(月) 東京都世田谷区「光明学園(旧・光明特別支援学校)」

光明学園は、肢体不自由児のための学校で、小1から高3までの生徒が在籍しています。
今回は光明学園に通う保護者の方々が運営するボランティア委員会さんが企画するイベントで、この日は主に小学生が集まり、学校の体育館で開催されました。

ステージが近く感じてもらえるよう会場は横に長くつかい、車いすに長時間のる事がつらい子どもには、一番前のマットに寝ながら観てもらうなど工夫し、子ども達、また親御さんにもリラックスして楽しんでいただきました。

芸術鑑賞のイベントは、普通学校なら毎年のように行われるものですが、普通学校とは違い、配慮が必要な特別支援学校ではその企画自体が難しい現状があるそうです。
重度の障がいをもち特別支援学校に通う子ども達にも、普通学校の生徒と同じように様々な芸術に触れる経験を届けたいという想いでの公演を行った心魂プロジェクト。
この想いに共感し、財団でも何かのお手伝いが出来たらとの思い今回支援させていただくこととなりました。

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③ 8/17 宮城県仙台市 ドナルト・マクドナルドハウス仙台
対象: 入院患児の家族のための滞在施設「ドナルト・マクドナルドハウス仙台」を利用しているご家族と外出が可能な入院患児

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今回2回目のデリバリーパフォーマンスとなるドナルド・マクドナルドハウスせんだい。
寄付とボランティアスタッフにより運営されている入院患者の家族のための施設です。

病院のすぐ隣にあるドナルド・マクドナルドハウスせんだいのご利用者は、入院されている患児の病状や生活費の不安、患児の病室には入れず留守番をするきょうだい児への想いなど、さまざまな心労を抱えて頑張っている方々だそうです。
そのようなご家族の存在を知り「日々淋しい思いをしているきょうだい児に喜んでもらえる機会を作りたい」という想いから2016年に初訪問が叶った本公演。
今年もまた一つでも多くの家族の思い出がうまれることを願います。

 
⑤8/18 岩手県一関市 難病のこども支援全国ネットワーク主催「みちのく七夕キャンプ」

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様々な病気を抱え、日々治療に励む子供たちとそのご家族が参加するこのキャンプイベントには、毎年伺っている心魂プロジェクト。このキャンプだけを、楽しみや目標として日々頑張っていらっしゃるご家族が多いとのこと。
皆さん、一年に一度のこのキャンプに参加できるよう、何日も前から体調管理に相当神経を使って参加されています。そのため、皆で過ごす2泊3日の時間は当たり前の時間ではありません。

年に一度だけ「外食できる・外出できる・リラックスできる」機会となるこのキャンプ。子ども達とそのご家族が、ほんの一時でも心から「楽しい!」と思っていただける時間を過ごしていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。

 
⑥ 8/25~8/26兵庫県淡路市 難病のこども支援全国ネットワーク主催
「かんぽの宿 淡路島」 つながろうキャンプIN関西

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難病の子ども支援ネットワークが主催するキャンプは、全国様々なところで開催されていますが、今回初めて淡路島での開催となりました。
キャンプには、病児、ご両親、ご兄弟と様々な年齢層の方がいらっしゃいます。できるだけ幅広い年齢層の方々に楽しんでいただけるよう、工夫を凝らしてセットリストを組みました。

歌に踊りに生演奏。子どもたちと寝ころびながらパフォーマンスをする場面もあり、新しい形でのパフォーマンスも生まれました。

2日目には、「ミュージックシャワーヨガ」。その後に「楽器体験会」もあり、ご家族そろって楽しんでいただけました。

 
⑦8/28 大阪府大阪市「淀川キリスト教病院 こどもホスピス病棟」
対象: 19歳以下のこどもホスピスを利用している子ども(通所を含む)

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心魂プロジェクトの活動が創立した年から訪問している、淀川キリスト教病院こどもホスピス病棟。少しずつ大きくなっている子ども達が、今年もまたやってきてくれました。
子どもホスピス病棟を利用する子ども達は、かなり重度の病気を持つ子ども達です。そのため、大きなチャペルに約20名と限られた人数での贅沢な空間となりました。
自由な外出が叶わない子どもたちですが、まるで遊園地に来たような「ワクワク・ドキドキ」が味わえることを願い、生演奏の中、歌と踊りのショーを目の前で存分に味わってもらいました。

このワクワクが、少しでも子ども達の生きる力になってくれることを切に願います。

 
⑧8/30 大阪府大阪市 森ノ宮病院 病棟内プレイコーナー
対象: 1~12歳までの肢体不自由児

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初めての訪問となる森之宮病院には、リハビリが必要な子供たちが親元を離れて生活しています。
セッティングが始まると、数名の男の子が興奮した様子で見学をしに来ました。また、この日は面会日でもあったため、開場するとご家族もどんどん入場されてきました。

脳の障害がある子ども達は、大きい音は苦手だったり、動くものを認知することが難しいそうで、日常では刺激の少ない中で過ごしているそうです。
そんな状況の中、いつも寂しい思いに負けず懸命にリハビリに励む子ども達。
今回のパフォーマンスを通して、「楽しい時間」と「様々な新しい感覚を体験できる機会」を届けたいと願う心魂プロジェクト。そんな想いに共感し、弊財団は今回の支援を決定することと致しました。