「デフキッズ国際遠征」出場への支援

ミャンマーにある聾学校「Mary Chapman」。
この学校でサッカーをしているこども達が、2017年8月7日~9日にタイのシーラ―チャーで開催される『デフキッズ国際遠征』に出場するにあたり、弊財団では、開催国となるタイまでの往復航空券等の移動費を支援いたしました。

この『デフキッズ国際遠征』は、聾者の子ども達がサッカーを通じて文化交流することを目的として開催され、タイ・日本・ミャンマーの12歳以下の子ども達が参加しました。
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弊財団からMary Chapmanへの支援は、これが2回目です。
(一回目の支援については「1st ASEAN Deaf Football Championship出場」への支援をご覧ください)
いずれも、アカデミーパートナー契約を結んでサッカーに関する指導などのサポートを行っている、「アルビレックス新潟ミャンマー」様よりお話をいただきました。

ミャンマーのヤンゴンでサッカースクールを開催しているアルビレックス新潟ミャンマーでは、「Mary Chapman」の他、児童養護施設などミャンマー各地でサッカークリニックも行っています。ミャンマーでサッカーは人気ナンバーワンのスポーツです!
【アルビレックス新潟ミャンマーサッカースクール オフィシャルサイト】
http://www.albirex.com.sg/myanmar/

ミャンマーでは障碍者への知識が乏しく、「Mary Chapman」の子供達は危険も伴うため気軽に学校の敷地から外に出るのも一苦労な現状です。そのような環境の中、海外への遠征参加には大きな意義があります。
他国の同年代と交流し、その行動を直接見聞し学ぶことも、その後の人間形成に良好な影響となります。

今回は、タイや日本の文化を子供たちが事前に調査し、帰国後には感想文の発表をするといった教育的機会もあるとのこと。ミャンマーの子どもたちが、心豊かな人間性教育と自己表現の機会を獲得できることを応援したく、支援をすることにしました。

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【1日目- 8月7日】

まだ陽ものぼらない朝4時、Mary Chapman School for the Deafの玄関にメンバーが集合。いつもの子ども達のお決まりのスタイルユニフォームの裸足ではなく、一様に新調した靴を履いていました。

離陸から約1時間半でタイのドンムアン空港に到着。
到着後、ドンムアン空港から今回の開催地であるシーラーチャーに向かいました。
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昼食後はシーラーチャーアリーナに移動し、屋根付きのきれいな人工芝のピッチでトレーニングを行いました。
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【2日目 - 8月8日】

日本から到着した子ども達も合流。早速子ども達は、手話を用いて積極的にコミュニケーションをとっていました。国によって手話は違うものの、子ども達はお互いに理解しているようでした。

午前中、シーラーシャーにあるバンセン聾学校を訪れ、学校見学をさせてもらいました。
その後学校の給食もごちそうになり、タイの聾学校事情について勉強することもできました。

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昼食後には学内のホールに移動し、タイ・日本・ミャンマーチームのそれぞれの子ども達の自己紹介となりました。
日本には手話の名前がないらしく、タイとミャンマーの子ども達が名前を付けてあげるなど、早速文化交流が始まりました。

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午後はシーラーチャー・アリーナに移動して交流戦。
それぞれ参加国は2チームに分かれ、5人制12分で練習をおこないました。
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夜は参加者全員が一堂に会し、タイ料理をアジアながら懇親ディナーが開催されました。
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【3日目 – 8月9日】

午前中は主催者のスポンサーであるマックスバリューで、お店の見学とお土産の購入をしました。子ども達は予算の範囲内で値段を考えて買い物をすることに不慣れなため、ここでも貴重な社会体験をすることが出来ました。
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午後はサッカーグランドに移り、タイ・日本・ミャンマーでの交流戦を開催。
2勝2分3敗という結果に終わりましたが、他の国の子ども達のプレーを見て早速実践してみるなど、今までに見られなかったプレーを続出していました。
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夜は、トヨタタイリーグ2017のチョンブリ対タイホンダの試合を全員で観戦しました。
ミャンマーのサッカーとは違ったサッカーのプレーやスタジアムの雰囲気を堪能し、大興奮のひと時となりました。
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【4日目 – 8月10日】

午前中は、タイのプロリーグでプレーする3人の日本人選手によるサッカー教室が開催されました。
タイ、日本、ミャンマーの子ども達が混合チームを作りプロの選手と一緒にサッカーをしました。
そのテクニックに子ども達は大いに魅了され、刺激をうけました。
プロの選手たちと触れ合えたことは、子ども達にとってこれからサッカーを続けていく上で大きなモチベーションとなりました。

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日本チームは翌日早朝に帰国するため、この夜が日本チームとの別れとなりました。
ミャンマーチームからはペナントをプレゼントし、日本チームからは、ミャンマー語で「ありがとう」とかかれた折り鶴をもらいました。

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【5日目 – 8月11日】

最終日午前中は、タイチームと一緒にシーラーチャーにある水族館に行きました。初めての水族館。大きな水槽で泳ぐ魚たちに子ども達は夢中になっていました。
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水族館見学を終えて、いよいよタイチームともお別れです。5日間で友情が深まった子ども達は、またどこかのグランドで再開できることを信じて、固い握手を交わしました。

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今回の遠征を通じて、ミャンマーの子ども達は、日本、タイのチームの子ども達と共に、これまで経験したことのない多くの貴重な体験を積むことが出来たことと思います。
それぞれの国により文化・習慣・宗教など様々な違いがありますが、サッカーという共通のものを通じ、お互いを理解しようと努力し、コミュニケーションを取り合い、絆を深めることが出来ました。

彼らの前に広がる無限の未来の中で、今回の経験が生かされ、文化や習慣の違いにとらわれることなく、どこの国の人とも手を取り合っていける人に成長してくれることを切に願います。
そして、この一歩が私たちの未来の世界平和につながってくれたら、こんなに嬉しいことはありません。