2017年11月心魂プロジェクトの活動(台湾)への支援

戸沢財団が活動費用の一部(移動費や衣装代等)を支援している心魂プロジェクト。
台湾の子供たちへミュージカルを届けに行く活動も続けていらっしゃいます。
(心魂プロジェクトについては、https://www.cocorodama.com/をご覧ください。)

今回の台湾ツアーはこれで4回目。今後も継続的に続けていけるよう来年の5回目までをひとつの山と考えて、現地の方々と綿密な準備をされた上での公演となりました。

戸沢財団の活動に込める想いは、
『子どもたちへ、笑顔になれる時間や貴重な体験、未来への希望を届けてあげたい』
ということが、常にあります。

心魂プロジェクトの『台湾のこども病院に、病院での公演(楽しいイベント)を根付かせたい』
という願いは、戸沢財団の想いと重なる部分があり、今回も支援へと繋がりました。

 
2017年は、11月に行われた馬偕記念病院(MACKEY MEMORIAL HOSPITAL)に入院する病児への活動について支援をしました。

【1】 11/16台北本院 小児病棟12F・13、小児がん病棟での公演

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本院の小児病棟での公演は、4度目です。広場がないため病棟に1本だけある廊下での公演となりました。普段は医療器具置き場となっているワゴンにドラムと電子ピアノを置かせてもらい、細くて狭い廊下を行ったり来たりしながら、出来る限り一人一人のもとへ寄り添いながらパフォーマンスが行われました。

今回は、これまでの実績を認めてもらい、初めて小児がん病棟での公演も実現しました。
小児がんの治療中の子ども達は菌に弱いため、手を握ることはできません。しかし、どの階でも体調の良い子どもは廊下に出てきてくれ、ベッドから動けない子どもは、親御さんが病室の扉を開けてベッドの中から心魂のメンバーが奏でる歌を聞き入っていました。

動ける子供たちも、ほぼ全員が点滴をしています。そんな辛い治療をする病院の中でも、「楽しい!」「ワクワクする!」と感じてもらえたら。そして、子ども達の生きる力となれたら。
心魂プロジェクトの活動を応援しながら、いつもそう感じています。

【2】 11/17新竹分院  小児病棟、ロビーでの公演

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新竹の馬偕紀念醫院は台湾ツアー1年目から3回連続で訪問させていただいており、台北から新幹線で40分ほど行ったところにあります。
今年は病棟だけでなく、初めてロビーでもパフォーマンスさせていただきました。
ステージの背中側にはICUなどの病棟があるため、出入りする人とぶつかることのないよう、細心の注意を払いながらのパフォーマンスとなりました。

台湾の入院事情は日本と違い、終日保護者が付き添わなければなりません。ご家族の不安はもちろんのこと、その不安な様子を日々子ども達も感じ取っていることと思います。
そんな不安を一時忘れ、家族で一緒に心から笑い過ごした時間が、これからの日常に少しでも明るさを持たせてくれますように。そんな想いを込めてパワフルなパフォーマンスが行われました。

台湾のこども達は、日本以上にシャイな子が多いのですが、病棟にいた女の子が病棟公演の後ロビー公演にも来てくれて、一緒に踊ったりという嬉しい出会いもありました。
キャラクターたちの登場に思わず声をだしてみたり、一緒にワクワクドキドキしたり、つらい日常をふと忘れ、本来の子どもらしい時間を過ごしてもらえたのではないかと思います。

【3】11/20台東分院 小児病棟、ロビー、老人ホームでの公演

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台北から飛行機に乗って台東へ。最終日は馬偕記念病院の台東分院でのパフォーマンスとなりました。
台東は原住民の方が多く、肌の色も中心となる言語も台北とは少し違います。音楽が好きな方も多いようでした。

小児病棟では、廊下のT字路になっている部分に椅子を集めていただいての公演です。少しだけ劇場のような空間になりました。
いつも過ごしている静かな病棟が突然にぎやかになり、言葉の分からない外人が歌ったり踊ったりしている様子にびっくりしている子ども達。
ロビーでのパフォーマンスは出来る限り集まってくれた一人一人の元へ行き、話しかけ、手を振り、ハイタッチをして交流をしました。病棟に比べると広い場所でのパフォーマンスでしたが一人一人との交流が出来たような、アットホームな公演となりました。

 

心魂プロジェクトの海外公演では、いつも思うことがあります。

『歌やダンスは、魔法のような力がある。』

国・言葉は関係なく、気づけば一緒に楽しんでいて距離が近づいていたり。
一方で、国による違った感じ方、楽しみ方など、常に新しい発見があったり。
普段の自分では考えられないような、気持ちの高まりや感情の移り変わりを感じたり。

この心魂プロジェクトのパフォーマンスの『魔法の力』を、たくさんの子どもたちにも感じてもらい、彼らのパワーにしてもらえたらと思っています。

 
“世界中の子供たちに少しでも多くの笑顔が生まれ、心が解放される時間が届きますように”
そう心から願い、これからも戸沢財団は心魂プロジェクトの活動を支援していきたいと思います。

ライオンの隠れ家への物資支援 2017年10月

発達障がいのご両親が、6人の子どもを抱えて、アパートで暮らしていました。ご両親は、その特性のために片付けができないだけでなく、定職にもつけないまま、生活は困窮していました。子どもたちは食べるものも満足に食べられず、着るものも汚れていました。

栄養失調と不衛生な環境のため、6人の子どもたちの皮膚はただれ、化膿し、お医者さんからもこのままでは命に関わると指摘がありました。
見かねたNPO法人が、この親子を引き離すことなくサポートするために彼らを引き取り、生活指導を行う居場所をつくり、一緒にこの問題の解決すべく家族ごと引き取ったとのこと。

本来なら、児童相談所が子ども達を保護すべき事例だと思うのですが、ご両親が子どもと離れたくないとこれを拒否し、それ以上、行政からの保護を受けることはなかったのです。

こういった状況を知り、弊財団では、保護したNPO法人を通じて着の身着のまま保護された子ども達への生活用品や学校用品を送りました。少しでも傷ついた子どもの力になりたいと願い、彼らに明るい未来の道が開かれるよう祈りを込めて。

まずは衣類関連。成長にあった衣服をそろえるのは兄弟姉妹が2~3人いるご家庭でも労力を要するもの。ましては6名分、年齢も性別もちがう全員のサイズにあう物を保護した先の方が日々のお世話をしながら準備するのは難しかったと思います。
毎日着るパジャマ。下着上下の洗い替え。これから寒くなる時期でしたので、ベーシックなカーディガンもおくりました。
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雨具一式、ランドセル、上履き入れ、幼稚園スモック
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学校で使うピアニカや彫刻刀、リコーダー、教科書、習字セット、色鉛筆などの文具
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後日、子ども達から可愛らしいお礼の手紙と動画がとどきました。
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どんなに劣悪な状況での生活であっても、子どもは親のことが大好きです。
できることなら、親と暮らした方がいいに決まっていますが、子ども達の安全と未来を守るためには必要な緊急保護でした。

この日本で、私たちの暮らすすぐ隣に、そういう子どもたちがいること。
格差社会と言われていますが、一般的にはなかなか実感できないとことだと思います。

子ども達がどのような環境にいても適切な教育を受けて、将来自立できることを心から願ってやみません。
虐待のない世の中に近づくために弊財団でできること。子ども達の未来のために、今後も続けていきたいと思っています。

『ファシリティドッグ・ベイリーの後任犬アニーの準備と導入』への支援

2010年に日本初のファシリティドッグとして、活動をしてきたベイリー。高齢化による衰えが見られることから、10歳の誕生日を目安に引退を計画することになりました。

日本では、まだまだあまり広くは知られていない『ファシリティドッグ』ですが、ベイリーが活動している神奈川県立こども医療センターでは、今やファシリティドッグは欠かせない存在になっており、ベイリーの後任犬が必要となりました。

そこで、戸沢財団は、後任犬アニーの準備と導入にかかる費用を支援いたしました。

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ファシリティドッグとは、医療スタッフとして病院に常勤する犬のこと。
治療に積極的に介入するという点が大きな特徴となります。

病院は、無機質で緊張感に満ちていて、子どもはもちろん、大人でも力の入る場所。
犬にとっても緊張する場所です。
そのため、こうした場所でも一切緊張せず、いつでも普段通り穏やかでいられる気質を持つ犬だけがファシリティドッグになることができます。

ファシリティドッグとして認められるまでには専門的なトレーニングを受け、実際の活動では、医療従事者かつ専門的な訓練を受けたハンドラー(人間)と共に行動することとなります。

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神奈川県立こども医療センターでは、検査や採血を怖がる子どもに付き添ったり、場合によっては集中治療室や手術室にも入り、寄り添うことで安心感を与えます。

子どもの不安な気持ちや恐怖感を一瞬にして感じ取り、人間にはない不思議なパワーで子どもたちの心を包み込み、驚くほど子どもたちの表情は和らぐのです。

『ベイリーが一緒に行ってくれるから手術も大丈夫。』
『ベイリーが一緒なら痛い検査も頑張る!』
現在、活動するベイリーは子どもたちにとってかけがえのない存在となっています。

後任犬であるアニーも優れた気質を持っており、専門的なトレーニングを受け、無事に就任式を終えました。
今後は、ベイリー同様、入院する子どもたちとそのご家族の心を癒してくれることと思います。

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戸沢財団が今回の費用を支援したことにより、
より一層、ファシリティドッグの存在が広く知られること、そして何よりも、治療に励むたくさんの子どもたちが明るく前向きに頑張ろうという気持ちになってくれたら・・・と、心より願っています。

八ヶ岳自然教室2017(9月・10月)

戸沢財団主催の八ヶ岳自然教室。

2017年の開催は、下記3回で終了となりました。
【1】9/9(土)-10(日)  With 希望の家
【2】9/23(土)-24(日) With あいむ
【3】10/7(土)-8(日)  With 希望の家

【1】9/9(土)-10(日)  With 希望の家
お天気に恵まれた2日間となりましたが、今までトラブルとは無縁だった八ヶ岳自然教室で、
初のトラブルが起きた思い出深い2日間ともなりました。

今回は学校行事と重なり、子どもたちの到着が夕方となりました。
子どもたちが『八ヶ岳の満天の星空』の切り紙を持ってきてくれました。
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指導員の方々も、『しおり』を作ってくれていて、とても温かい気持ちになりました。
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自然教室では、お布団敷きに、ご飯作りに、薪割り、何でもみんなで一緒に行います。
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合間に、星つむぎの村の高橋さんによる、移動プラネタリウム『今夜見える八ヶ岳の星空鑑賞』。
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夜ご飯は、炭で焼いたお野菜たっぷり、『彩夏野菜とキーマカレー』を食べました。
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ここでトラブル発生!
リアルプラネタリウムと温泉に出かける際、養護施設の車が動かなくなってしまいました。
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スタッフ皆さまのご協力のおかげで、なんとか解決。
星つむぎの村と戸沢財団の車で子どもたちは無事に温泉へ。

次の日、朝ごはんの支度も、もちろんみんなで。恒例のパイの家エム・ワンの「アップルパイ」。
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朝食後は、いつも通り山荘のお掃除をして、登山へ出発です。
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みんな元気に登山開始!
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いつも通り、星つむぎの村の跡部さんの楽しいお話しを聞きながらの山歩きです。
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尾根伝いに出れば、景色もよくて、みんなの「ヤッホー」がこだまします。
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恒例となった平沢山から飯盛山へのランニングタイムトライアル。
子どもたちも指導員の方たちも、みんな走る走る!
気持ち良いくらいへとへとになるまで本気でタイムを競いました。
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みんなで、飯盛山登頂。
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さて、お昼ごはんは、特製ハンバーガー!
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たくさんの思い出と共に。また元気な笑顔で会うことを約束して解散となりました。
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【2】9/23(土)-24(日) With あいむ
今回も、基本的には2日間共にお天気に恵まれました。

恒例の場所で、子どもたちとの待ち合わせ。
ピザ好きな子、パスタ好きな子、いずれにしても「Copain」のメニューは子どもたちに大人気。
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「八ヶ岳で秋に見える星を調べてきたよ」と、『秋の星座』を教えてくれました。
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美味しいランチが終わったら、いよいよ八ヶ岳自然教室のスタートです。
秘密の森で、栗拾い。みんな上手にイガから栗を取りだします。
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カナブンの幼虫やサワガニ。
普段は、「絶対に虫なんて触れない!」という子が、平気で虫を捕まえて、見せに来てくれます。
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川に入ったら、ますます生き物探しに夢中です。
生き物を捕まえても、家で飼えないものは、最終的には逃がしてあげるということも学習します。
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日が傾くまで里山散策をしました。来た時よりも、ずっとずっとのびのびしています。
森の出口で、小さなヘビに出会いました。初めての触り心地に一喜一憂していました。
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八美里ファーム到着後、
星つむぎの村の高橋さんの移動プラネタリウム『今夜見える八ヶ岳の星空鑑賞』の始まりです。

その間に、男性スタッフは薪割り、女性スタッフは夕飯の仕込みと慌ただしく準備を進めます。
移動プラネタリウムが終わったら、子どもたちも準備に加わります。
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夜ご飯は、
ニジマスのホイル焼き
自分たちで収穫した栗が入った、栗ご飯
わかめと油揚げと大根のお味噌汁
外のBBQでホイル焼きした、トウモロコシも甘くて最高の味でした。
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夕飯後の楽しみだった『八ヶ岳のリアルプラネタリウム』は、雲が出たため、残念ながら中止。
代わりに、曇天の下、星の話を星つむぎの村の高橋さんと跡部さんがしてくれました。

その後は、恒例の『甲斐大泉温泉 パノラマの湯』へ行きました。

八美里ファームへ戻ったら、子どもたちは寝る準備。
たくさん遊んで疲れたのか、お布団に入ったらすぐに寝てしまいました。
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次の日の朝、みんなでテラスのお掃除をして、朝食は「青空レストラン」です。
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今回も恒例の『パイの家M−1のアップルパイ』。それと、北杜市大泉町産のぶどうがつきました。
朝のりんごジュースに、八美里ファームの梢が写っていて、とてもきれいです。
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朝食が終わったら、みんなで掃除タイム!来た時よりきれいにがモットー!
山登りの準備ができたら出発です!
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北横岳ロープウェイ山麓駅。ロープウェイに乗るのが初めての子どもたちもいてワクワク。
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山頂駅を降りると坪庭です。
横岳神社で登山の安全をお祈りして、いざ出発!
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坪庭と北横岳の分岐を過ぎると、一気に登山道らしくなります。
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北横岳ヒュッテでひと休み。あと少し!
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北横岳南峰山頂。2,472m登頂!北横岳北峰山頂。2.480m登頂!
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お昼ごはんは、ホットドッグ。一生懸命歩いた後のご飯は最高です。
みんなあっという間にたいらげました。
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帰りのロープウェイからの綺麗な景色を眺め、
山麓駅に降りた後は、がんばったごほうびの「コケモモ」のソフトクリームを食べました。
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この2日間で、元気をチャージしてもらえたようで、みんな元気に帰って行きました。
来年もまた、楽しい時間を一緒に過ごすことを約束して。

【3】10/7(土)-8(日)  With 希望の家
いよいよ2017年度最後の八ヶ岳自然教室。
天気予報通り、初日の夜空は見られず残念でしたが、基本的に天気の心配はない2日間でした。

今回の集合場所は、甲斐大泉駅の近く、ハンバーグが美味しい「Derra」。
カレーは大人でも汗だくになる程の辛さでした。
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もう栗のシーズンも終わりのようで、栗拾いは、かなり探すのが大変でした。
虫がダメな子がたくさんいたはずが、トカゲやカナヘビに夢中になって楽しんでいました。
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大きなサワガニやカエルも捕まえました。
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八ヶ岳は秋真っ盛り。コスモスが咲き乱れ、クルミも見つけました。
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少しだけ探検気分になれる沢登り。たくさん遊んで、八美里ファームに向かいました。
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指導員の方がパンフレット、子どもたちがハロウィンの置物を紙粘土で作ってくれていました。
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荷物整理に、布団敷き、準備が終わった人から、夜ご飯の準備のお手伝いです。
お楽しみのBBQも始まりです。珍しいお客さん(ナナフシ)も参加してくれました。
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焼きとうもろこし、焼きアスパラ、焼きナスをアルミホイルで包み焼きに。
地産地消のものは絶品。
その他、自分たちで拾った栗で作ったご飯やお味噌汁も頂きました。
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その後は、いつもどおり『甲斐大泉温泉 パノラマの湯』へ。
ここの入り口は、遠方から汲みに来るぐらい美味しいお水が飲めます。
子どもたちもごくごく飲んでいました。

八ヶ岳自然教室が始まって以来初めて、お風呂から帰ってきた後、
週明けの中間試験に備えて勉強をする子がいました。
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翌日は、気持ちのいいお天気です。
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子どもたちに愛国心を持ってもらいたいと、日の丸を掲げることにしました。

1番小さな子どもの「なんで日本は日の丸なの?」という問いに、
1番大きな子どもの「”がんばろう”っていう気持ちになれるからだよ。」という秀逸な答え。
子どもの素直で素敵なやりとりに温かくなりました。
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青空レストランのメニューは、いつも通り、サラダとゆで卵に、パイの家M−1のアップルパイ。
前述の【2】へ参加してくれた『養護施設あいむ』の施設長から差し入れのプリンも頂きました。
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お掃除タイム!BBQの鉄板も使ったらしっかり油を擦り込んでおきます。
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八美里ファームでの八ヶ岳自然教室はここまで。山登りに行きます!
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坪庭から右手に見える縞枯山、時間が許せば茶臼山を目指します。
スタートして、しばらく平坦な道を行くと縞枯山荘が見え、すぐに雨池峠に着きます。
まだなのかと、みんなに不安が見え始めた頃、山頂に着きました。縞枯山2,403m登頂!
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縞枯山の展望台への分岐でお昼ごはんにします。
メニューは、昨夜仕込んだ、鶏の照り焼きを乗せた『照り焼きバーガー』。
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お腹がいっぱいになったら、茶臼山を目指して出発!

100年周期で木が枯れて、縞枯模様をつくっていく、縞枯現象。
そして、ガスに包まれた何とも雰囲気のある風景。
素敵な景色にたくさん触れることができました。
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全員、茶臼山2,384m、登頂!
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茶臼山から五辻(ロープウェイ方面)へと向かう道は、
北八ヶ岳のメインルートの中では人が少ないため、神秘的な風景をたくさん見ることができます。
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ロープウェイの山頂駅を前に、きれいな夕刻の時に包まれました。
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2日間の思い出をたくさん心に詰め込んで、素敵な笑顔で帰って行きました。
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2017年の戸沢財団主催『八ヶ岳自然教室』はこれで終わりとなりました。

今年もたくさんの子どもたちを招待し、普段できないことをできる限り多く経験してもらい、
子どもたちの持つ素直さや柔軟さで様々なことを吸収してもらえたのではないかと思います。

この経験が、普段の生活への希望になったり、何かやりたいことの発見など、
子どもたちの未来が明るいものとなるよう、少しでもお手伝いができればと考えています。

そして、私たち大人も、子どもたちが無邪気に自然を楽しむ姿、何事にも真剣に挑む姿、
どれを取っても、教えられることがたくさんあります。
何よりも、子どもたちの笑顔は宝物で、本当に不思議なくらいパワーをもらうことができます。

来年以降も、たくさんの子どもたちとの出会い、再会を楽しみに、
いろんな体験をしてもらえるよう、開催を続けていきたいと思います。

2017年夏 心魂プロジェクトの活動(国内)への支援

戸沢財団は、2015年頃より、心魂プロジェクトの活動費用の一部について支援を続けています。
(心魂プロジェクトについては、https://www.cocorodama.com/をご覧ください。)

全国各地で、様々な病気と闘う子どもたちへ、ふと治療と向き合う時間を忘れ、
心から楽しいと思える時間を過ごして欲しいという想いで、
2017年夏は、下記の公演について、移動費等の活動費用を支援しました。

 
①7/17(月・祝) 茨城県つくば市「医療的ケアを必要とする子とその親の会」 無償公演

医療的ケア、というのは、主に気管切開をした重症心身障がいの子ども達のことです。
この日は会の立ち上げ第一回目の交流会となっており、この集まりをきっかけに、今後、退院後の子ども達のサポートを充実されていこうとする親たちの熱気にあふれていました。

気管切開をしていると、交通機関などの利用も制限されるとのこと。退院後ほとんど外に出た事のない子どもも多いため、おそるおそるイベントに参加したご家族も多い様子でした。目がほとんど見えない子もいたため、できる限り触れ合いを大切にした1時間のプログラム。癒されましたという声が沢山あがりました。

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病状による理由から、普通の知能を持ち合わせていても退院後に普通学校に通うことも家から出ることも難しいそうです。今回は、病院に居る時以上に親子共々孤独になりがちな子供たちに向けたイベントです。
受け入れられる学校側に知識のある人材が極端に少ないこともあり、医療的ケアを必要とする子は学校自体に通うこともままならず、友達を作るチャンスが少ないそうです。
そんな子供たちに公演を楽しんでもらうことはもちろん、本公演が「外に出かけられた!外出を楽しめた!」という成功体験となり、外に出かけるきっかけや前に進む勇気となることを心より願います。

 
②7/24(月) 東京都世田谷区「光明学園(旧・光明特別支援学校)」

光明学園は、肢体不自由児のための学校で、小1から高3までの生徒が在籍しています。
今回は光明学園に通う保護者の方々が運営するボランティア委員会さんが企画するイベントで、この日は主に小学生が集まり、学校の体育館で開催されました。

ステージが近く感じてもらえるよう会場は横に長くつかい、車いすに長時間のる事がつらい子どもには、一番前のマットに寝ながら観てもらうなど工夫し、子ども達、また親御さんにもリラックスして楽しんでいただきました。

芸術鑑賞のイベントは、普通学校なら毎年のように行われるものですが、普通学校とは違い、配慮が必要な特別支援学校ではその企画自体が難しい現状があるそうです。
重度の障がいをもち特別支援学校に通う子ども達にも、普通学校の生徒と同じように様々な芸術に触れる経験を届けたいという想いでの公演を行った心魂プロジェクト。
この想いに共感し、財団でも何かのお手伝いが出来たらとの思い今回支援させていただくこととなりました。

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③ 8/17 宮城県仙台市 ドナルト・マクドナルドハウス仙台
対象: 入院患児の家族のための滞在施設「ドナルト・マクドナルドハウス仙台」を利用しているご家族と外出が可能な入院患児

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今回2回目のデリバリーパフォーマンスとなるドナルド・マクドナルドハウスせんだい。
寄付とボランティアスタッフにより運営されている入院患者の家族のための施設です。

病院のすぐ隣にあるドナルド・マクドナルドハウスせんだいのご利用者は、入院されている患児の病状や生活費の不安、患児の病室には入れず留守番をするきょうだい児への想いなど、さまざまな心労を抱えて頑張っている方々だそうです。
そのようなご家族の存在を知り「日々淋しい思いをしているきょうだい児に喜んでもらえる機会を作りたい」という想いから2016年に初訪問が叶った本公演。
今年もまた一つでも多くの家族の思い出がうまれることを願います。

 
⑤8/18 岩手県一関市 難病のこども支援全国ネットワーク主催「みちのく七夕キャンプ」

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様々な病気を抱え、日々治療に励む子供たちとそのご家族が参加するこのキャンプイベントには、毎年伺っている心魂プロジェクト。このキャンプだけを、楽しみや目標として日々頑張っていらっしゃるご家族が多いとのこと。
皆さん、一年に一度のこのキャンプに参加できるよう、何日も前から体調管理に相当神経を使って参加されています。そのため、皆で過ごす2泊3日の時間は当たり前の時間ではありません。

年に一度だけ「外食できる・外出できる・リラックスできる」機会となるこのキャンプ。子ども達とそのご家族が、ほんの一時でも心から「楽しい!」と思っていただける時間を過ごしていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。

 
⑥ 8/25~8/26兵庫県淡路市 難病のこども支援全国ネットワーク主催
「かんぽの宿 淡路島」 つながろうキャンプIN関西

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難病の子ども支援ネットワークが主催するキャンプは、全国様々なところで開催されていますが、今回初めて淡路島での開催となりました。
キャンプには、病児、ご両親、ご兄弟と様々な年齢層の方がいらっしゃいます。できるだけ幅広い年齢層の方々に楽しんでいただけるよう、工夫を凝らしてセットリストを組みました。

歌に踊りに生演奏。子どもたちと寝ころびながらパフォーマンスをする場面もあり、新しい形でのパフォーマンスも生まれました。

2日目には、「ミュージックシャワーヨガ」。その後に「楽器体験会」もあり、ご家族そろって楽しんでいただけました。

 
⑦8/28 大阪府大阪市「淀川キリスト教病院 こどもホスピス病棟」
対象: 19歳以下のこどもホスピスを利用している子ども(通所を含む)

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心魂プロジェクトの活動が創立した年から訪問している、淀川キリスト教病院こどもホスピス病棟。少しずつ大きくなっている子ども達が、今年もまたやってきてくれました。
子どもホスピス病棟を利用する子ども達は、かなり重度の病気を持つ子ども達です。そのため、大きなチャペルに約20名と限られた人数での贅沢な空間となりました。
自由な外出が叶わない子どもたちですが、まるで遊園地に来たような「ワクワク・ドキドキ」が味わえることを願い、生演奏の中、歌と踊りのショーを目の前で存分に味わってもらいました。

このワクワクが、少しでも子ども達の生きる力になってくれることを切に願います。

 
⑧8/30 大阪府大阪市 森ノ宮病院 病棟内プレイコーナー
対象: 1~12歳までの肢体不自由児

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初めての訪問となる森之宮病院には、リハビリが必要な子供たちが親元を離れて生活しています。
セッティングが始まると、数名の男の子が興奮した様子で見学をしに来ました。また、この日は面会日でもあったため、開場するとご家族もどんどん入場されてきました。

脳の障害がある子ども達は、大きい音は苦手だったり、動くものを認知することが難しいそうで、日常では刺激の少ない中で過ごしているそうです。
そんな状況の中、いつも寂しい思いに負けず懸命にリハビリに励む子ども達。
今回のパフォーマンスを通して、「楽しい時間」と「様々な新しい感覚を体験できる機会」を届けたいと願う心魂プロジェクト。そんな想いに共感し、弊財団は今回の支援を決定することと致しました。

カンボジア視察 2017年8月

2017年8月、養護施設支援の一環として理事2名がカンボジアを訪問、子ども達のための施設4つをまわりました。日程の関係で機中2泊の4泊6日というハードスケジュールでしたが、たくさんの子どもたちの笑顔に出会えました。

日程:2017年8月11日~14日
地域:シェムリアップ、プノンペン(カンボジア)

訪問施設:
  • L’ORPHELINAT DE CAMBODGE ENFANCE DEVELOPPEMENT
  • Sacrifice Families and Orphans Developmet Association (SFODA)
  • Cambodian Students and Children fund organization

どんな環境でも、たくさん学んでたくさん遊んでほしい!そんな思いで各訪問先では子どもたち一人ひとりに、ペンケース、鉛筆、鉛筆削り、消しゴム、石鹸をプレゼントしました。また、日本のお菓子として「最中」も差し入れ。サッカーボールを数個ずつプレゼントしました。
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①ソク(SOK)孤児院
初日、2日目とシェムリアップで観光ガイドをしてくれたソク(SOK)さんは、0歳3ヶ月で父を亡くし、10歳で母を亡くし、お寺で育ったことから、なんらかの事情があって親元から捨てられた孤児達を守れる施設をつくりたかったという夢を有言実行されています。シェムリアップでは、そんな彼が運営するソク孤児院を訪れました。

一番の特徴は、スクール事業。ソクさんご自身の体験から、教育だけが、子どもたちが貧困から抜け出せる唯一の道だと信じ、力を入れていらっしゃいます。生活スペースとは別に教室となる部屋がありました。
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教壇にたつのは、ボランティアのみなさん。地元の協力者もいますが、ボランティアツアーでここを訪れる世界各国の方々にも、その時々で色んなカリキュラムをお願いしているそうです。

1階が男子寮、2階が女子寮。37名の子ども達が暮らしています。そのため外にはたくさんの洗濯物!男女関係なく、こんな風に干してあるのがカンボジアでは一般的です。貧しいながらどこもきれいに保っていました。
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ここは孤児院というより、みんなが大家族として生活していくお家みたいなもの。環境は他の施設よりも、「本気で取り組んでいる」生活・家族的教育に、たまらなく愛情を感じます。(写真内ピンクの洋服の赤ちゃんはソクさんのお子様)
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この施設、今はSOKさんの観光ガイドの収入がメインになっています。ヨーロッパ企業からの寄付である程度軌道に乗っていた運営も、ヨーロッパ企業の不況とともに途絶えてしまったそうです。僅かばかりの観光ガイドの収入は、今いる37名の子どもたちの生活費で、ほとんど消えてしまいます。

この施設はシェムリアップの市街地から近く、便利なところにあるのですが、いろいろな支払いが滞りがちのため、地主さんからは立ち退きを勧告され、引越しの資金の目処は立たず、ソクさんは八方塞がりだと手をこまねいていました。それでも、自身で何かを切り開かなくてはいけないのが、責任を追った者の辛いところ。日本であれば、クラウドファンディングやグッズ販売による募金活動、一般的な募金をつのったりすることも可能ですが、ここではまだまだどうにもならない様子。それでもどうにもならないでは済まされないというのも現実です。

子どもたちの笑顔を守りたい。。!!
きっと、よいアイディアが浮かぶので、一緒に考えましょうと、約束して別れました。

 

②L’ORPHELINAT DE CAMBODGE ENFANCE DEVELOPPEMENT

視察の2日目はプノンペン。最初に訪問したのは、フランスのNGOが支援していて、きれいに整備されている孤児院でした。英語で質問したら、フランス語で答えが返ってきます。

子ども達の部屋を見させていただきました。ベッドのスペース以外、遊ぶスペースがないのが気になりましたが、きちっと整理整頓されており清潔感がありました。調理場もしっかり整理整頓されており、近くにランチスペースがありました。
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プレゼントを受け取って大喜びの子ども達!我々の訪問のお礼に民族舞踊も披露してくれました。子ども達は常に元気いっぱいで、こちらがパワーを貰いました。
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③Sacrifice Families and Orphans Developmet Association (SFODA)

プノンペンで2つ目に訪れたのは、HIVに感染した子どもや、障がいのある子どもも受け入れてくれる数少ない施設です。カンボジア人の主宰で、マルタのNGOやレオパレスなど日本の企業が支援していますが、いろいろな物が不足しているとのこと。

きれいに片付いている子ども達の部屋。調理場もとてもきれいでした。
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将来の夢は?と聞くと、デザイナーになりたいという女の子、マーケッターになりたいという女の子がいました。彼女たちが自立して、夢を叶えてくれることを、願ってやみません。
プレゼントは一人ひとりを抱きしめながら渡しています。言葉は通じなくても人の温かさは必ず伝わります。
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フリータイムになると子どもたちはすぐに遊びはじめます。そこにサクッと混じると、素晴らしい笑顔で喜んで遊んでくれます。子どもたちとの遊びも世界共通、うれしいことです。どこへ行っても、笑顔だって世界共通!笑顔があれば、いつでもどこでも、みんなハッピーになれますね。
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④Cambodian Students and Children fund organization

こちらはプノンペンでも有名なキリングフィールドの近くにあります。他の3施設とは違って国が運営しているそうで孤児院の中に、小学校もあります。
とは言っても、日本の児童養護施設のように、金銭的な支援があるわけではありません。週のうち3日分の食事は、チェコスロバキアのNGOが提供してくれていますが、もちろんそれだけでは、足りません。食事だけでなく、文房具、石鹸など何もかも不足しているようでした。右が男子寮。左が女子寮。こういう分け方もはっきりしていて好感がもてます。
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プレゼントを受け取るために、みんなきれいに並んでくれました。最後の訪問施設ということで、少し余った「最中」のプレゼントをかけて、じゃんけん大会も開催! 子ども達は終始おおはしゃぎでした。
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今回のカンボジア視察を無駄にしないように、これからの戸沢財団としての活動をしっかり練りこんでいきたいと思います。そして、世界中の子どもたちが笑顔で、自らの未来の扉を開けられる社会が来ることを切に願います。
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「デフキッズ国際遠征」出場への支援

ミャンマーにある聾学校「Mary Chapman」。
この学校でサッカーをしているこども達が、2017年8月7日~9日にタイのシーラ―チャーで開催される『デフキッズ国際遠征』に出場するにあたり、弊財団では、開催国となるタイまでの往復航空券等の移動費を支援いたしました。

この『デフキッズ国際遠征』は、聾者の子ども達がサッカーを通じて文化交流することを目的として開催され、タイ・日本・ミャンマーの12歳以下の子ども達が参加しました。
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弊財団からMary Chapmanへの支援は、これが2回目です。
(一回目の支援については「1st ASEAN Deaf Football Championship出場」への支援をご覧ください)
いずれも、アカデミーパートナー契約を結んでサッカーに関する指導などのサポートを行っている、「アルビレックス新潟ミャンマー」様よりお話をいただきました。

ミャンマーのヤンゴンでサッカースクールを開催しているアルビレックス新潟ミャンマーでは、「Mary Chapman」の他、児童養護施設などミャンマー各地でサッカークリニックも行っています。ミャンマーでサッカーは人気ナンバーワンのスポーツです!
【アルビレックス新潟ミャンマーサッカースクール オフィシャルサイト】
http://www.albirex.com.sg/myanmar/

ミャンマーでは障碍者への知識が乏しく、「Mary Chapman」の子供達は危険も伴うため気軽に学校の敷地から外に出るのも一苦労な現状です。そのような環境の中、海外への遠征参加には大きな意義があります。
他国の同年代と交流し、その行動を直接見聞し学ぶことも、その後の人間形成に良好な影響となります。

今回は、タイや日本の文化を子供たちが事前に調査し、帰国後には感想文の発表をするといった教育的機会もあるとのこと。ミャンマーの子どもたちが、心豊かな人間性教育と自己表現の機会を獲得できることを応援したく、支援をすることにしました。

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【1日目- 8月7日】

まだ陽ものぼらない朝4時、Mary Chapman School for the Deafの玄関にメンバーが集合。いつもの子ども達のお決まりのスタイルユニフォームの裸足ではなく、一様に新調した靴を履いていました。

離陸から約1時間半でタイのドンムアン空港に到着。
到着後、ドンムアン空港から今回の開催地であるシーラーチャーに向かいました。
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昼食後はシーラーチャーアリーナに移動し、屋根付きのきれいな人工芝のピッチでトレーニングを行いました。
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【2日目 - 8月8日】

日本から到着した子ども達も合流。早速子ども達は、手話を用いて積極的にコミュニケーションをとっていました。国によって手話は違うものの、子ども達はお互いに理解しているようでした。

午前中、シーラーシャーにあるバンセン聾学校を訪れ、学校見学をさせてもらいました。
その後学校の給食もごちそうになり、タイの聾学校事情について勉強することもできました。

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昼食後には学内のホールに移動し、タイ・日本・ミャンマーチームのそれぞれの子ども達の自己紹介となりました。
日本には手話の名前がないらしく、タイとミャンマーの子ども達が名前を付けてあげるなど、早速文化交流が始まりました。

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午後はシーラーチャー・アリーナに移動して交流戦。
それぞれ参加国は2チームに分かれ、5人制12分で練習をおこないました。
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夜は参加者全員が一堂に会し、タイ料理をアジアながら懇親ディナーが開催されました。
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【3日目 – 8月9日】

午前中は主催者のスポンサーであるマックスバリューで、お店の見学とお土産の購入をしました。子ども達は予算の範囲内で値段を考えて買い物をすることに不慣れなため、ここでも貴重な社会体験をすることが出来ました。
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午後はサッカーグランドに移り、タイ・日本・ミャンマーでの交流戦を開催。
2勝2分3敗という結果に終わりましたが、他の国の子ども達のプレーを見て早速実践してみるなど、今までに見られなかったプレーを続出していました。
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夜は、トヨタタイリーグ2017のチョンブリ対タイホンダの試合を全員で観戦しました。
ミャンマーのサッカーとは違ったサッカーのプレーやスタジアムの雰囲気を堪能し、大興奮のひと時となりました。
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【4日目 – 8月10日】

午前中は、タイのプロリーグでプレーする3人の日本人選手によるサッカー教室が開催されました。
タイ、日本、ミャンマーの子ども達が混合チームを作りプロの選手と一緒にサッカーをしました。
そのテクニックに子ども達は大いに魅了され、刺激をうけました。
プロの選手たちと触れ合えたことは、子ども達にとってこれからサッカーを続けていく上で大きなモチベーションとなりました。

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日本チームは翌日早朝に帰国するため、この夜が日本チームとの別れとなりました。
ミャンマーチームからはペナントをプレゼントし、日本チームからは、ミャンマー語で「ありがとう」とかかれた折り鶴をもらいました。

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【5日目 – 8月11日】

最終日午前中は、タイチームと一緒にシーラーチャーにある水族館に行きました。初めての水族館。大きな水槽で泳ぐ魚たちに子ども達は夢中になっていました。
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水族館見学を終えて、いよいよタイチームともお別れです。5日間で友情が深まった子ども達は、またどこかのグランドで再開できることを信じて、固い握手を交わしました。

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今回の遠征を通じて、ミャンマーの子ども達は、日本、タイのチームの子ども達と共に、これまで経験したことのない多くの貴重な体験を積むことが出来たことと思います。
それぞれの国により文化・習慣・宗教など様々な違いがありますが、サッカーという共通のものを通じ、お互いを理解しようと努力し、コミュニケーションを取り合い、絆を深めることが出来ました。

彼らの前に広がる無限の未来の中で、今回の経験が生かされ、文化や習慣の違いにとらわれることなく、どこの国の人とも手を取り合っていける人に成長してくれることを切に願います。
そして、この一歩が私たちの未来の世界平和につながってくれたら、こんなに嬉しいことはありません。

八ヶ岳自然教室2017(7月witリラの家)

2016年からはじめた八ヶ岳自然教室も今回で7回目。
初めて患児(患者児童)を持つご家族を招待しました。

日程:2017年7月22~23日
行事: ①自然の生き物に触れてみよう(カエル、トンボ、サワガニ、野草)、②滝沢牧場(乳搾り体験・バードコール作り体験・アイスクリーム作り体験・バーベキュー)
参加: 患者家族滞在施設「リラのいえ」を利用している2家族(10名)

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~八ヶ岳自然教室とは?~
八ヶ岳の美しい山麓を駆け巡ると、自然との戯れ方がごくごく自然に身につきます。この感覚を今の子どもたちにぜひ伝えたい!「自然っていいな」「木っていいよね」「鳥ってかわいいね」「山登り好き!」こんなことを子どもたちに体験してもらえればとはじめたのが、戸沢財団の【八ヶ岳自然教室】です。2016年5月より開講。
難病の子どもを抱えるご家族は、家族みんなで出かける機会が驚くほど少ないのが現状です。入退院を繰り返す患児中心の日々の中では、家族全員の活動範囲も限られますし、大きな手術で両親が病院から離れられない時期には、兄弟(姉妹)は親戚宅にあずけられて離ればなれで過ごすこともよくあるそうです。兄弟姉妹で遊べる時も、体調を気づかって遊びをセーブしたり、自分自身も大人に甘えたい気持ちをグッと抑えたりすることが日常茶飯事です。

そんな患児中心の生活の中で、わずかばかりでも兄弟(姉妹)とその両親がのんびりできたら、思いっきり家族の思い出を作れたらという願いのもと、今回の2日間は新しいプログラムで挑みました。

スタッフも今回から新しいスタッフポロシャツを着て気合十分!20170723_7

~1日目~
①自然の生き物に触れてみよう(カエル、トンボ、サワガニ、野草)

恒例の秘密の池に来ると、みんなあっという間にカエルや虫たちを触れるようになります。
子どもたちだけで、はじめて丸太の橋を渡りきる姿も。

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お父さんはサワガニを捕まえてくれました。子どもたちよりも、大人がしっかりとはしゃいでいました。
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雨が降ってきたので、夕方からは家遊びに。
子ども達は元気にまくら投げを楽しみました。
ちょっとトウモロコシで小腹をみたしながら、夕ご飯の準備です。
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本当は外でバーベキューの予定でしたが、雨のため室内で焼肉となりました。
すべて地元八ヶ岳の野菜とお肉!
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小麦粉からつくるクラムチャウダーは財団スタッフによる力作です。
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お風呂も入って子どもたちが寝付いたら、大人たちの反省会。
みんな気持ちを吐露したり、ご夫婦の馴れ初めを語ったり。
ママパパにゆっくりしてもらう、という今回のもうひとつの目的が果たせたかもしれません。
~2日目~
②滝沢牧場(乳搾り体験・バードコール作り体験・アイスクリーム作り体験・バーベキュー)

2日目は牧場へ。お兄さんの説明を聞いて乳しぼり。みんな上手に絞れました!そのあとは、ジャージーとホルスタインのお乳が絶妙にブレンドされている特製ソフトクリームを堪能。
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バードコール作りもしました。自分の好きな木を選んでつくります。
とっても簡単で、とっても楽しい。
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ランチはジンギスカンのBBQ!デザートとしてアイスクリーム作りも体験。
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牛乳と生クリームとミルクセーキとお塩を、とにかくかき混ぜて冷やします。上手に美味しくできました。
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最後は野辺山「びっくり市場」で新鮮な野菜の買い物をして解散しました。

「初めての家族旅行なんです」「また、家族で旅行ができたら」
そう話す、参加してくれた患児とそのご家族のみなさん。

今回の八ヶ岳自然教室の中で、子どもはもちろんのこと、いつも頑張っている親御さん達が自然の中で戯れ、子ども達と一緒になって楽しむ姿がみられました。
患児とそのご家族の生活は、様々なご苦労のある中毎日を送られていると思います。しかしそんな中でも、家族が笑顔で顔を見合わせ、ともに自然の中で過ごせたことをこれからの生活の力としていただけたら、戸沢財団としてこんなに嬉しいことはありません。

戸沢財団は、生きることに前向きに頑張っている子ども達、そしてそのご家族の力になれるようなプログラムをこれからも模索し、少しでも多くのこども達の力になれるよう活動を続けていきたいと思っています。

八ヶ岳自然教室2017(6月with児童養護施設カルテット)

2017年6月も、八ヶ岳自然教室を開催しました。
2016年からはじめてから今回で6回目、今年度では2回目の開講となります。

~八ヶ岳自然教室とは?~
八ヶ岳の美しい山麓を駆け巡ると、自然との戯れ方がごくごく自然に身につきます。この感覚を今の子どもたちにぜひ伝えたい!「自然っていいな」「木っていいよね」「鳥ってかわいいね」「山登り好き!」こんなことを子どもたちに体験してもらえればとはじめたのが、戸沢財団の【八ヶ岳自然教室】です。2016年5月より開講。
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今回は、財団が支援している児童養護施設「カルテット」の子どもたち8名を招待しました。あいにく2日目が雨の予報で、開催前から最後まで天気予報とにらめっことなった回でした。それでも子どもたちは、指導員の方々がつくってくれた素敵な「八ヶ岳自然教室のしおり」を持って、元気に参加してくれました。

日程: 2017年6月25~26日
行事: ①自然の生き物に触れてみよう(カエル、カナヘビ、野草)、②八美里ファーム(周辺の自然に触れてみよう、焚き火、カレー作り、移動プラネタリウム、星座カードで遊ぼう)③飯盛山ハイキング
参加:養護施設「カルテット」の子どもたち(8名)
協力:星つむぎの村、S様
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~1日目~
①自然の生き物に触れてみよう
この回の子どもたちは本当に生き物好きで、大はしゃぎでした(手の中にいるのはカエル)
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アカツメクサを摘んだり、Yの字の形をした枝でパチンコをつくったり。「遺跡を見つけたよー」と教えてくれたのは、ヒシの実。動くもの、拾うもの、みんな楽しくなるのが里山遊びの醍醐味。梅雨の晴れ間を堪能しました。
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②「八美里ファーム」到着
夕飯の前に自分たちの寝床をつくり(子ども達にとってはこれがまた一イベント)、夕飯までの30分、星つむぎの村の跡部浩一さんによる「周辺の自然に触れてみよう」を楽しみました。
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夕ご飯は「彩り夏野菜カレー」。野菜はバーベキューで焼き上げました。子どもたちはキャンプファイヤーを囲みながら、大人は別テーブルでわいわいと。8合炊いたご飯は完食!おいしく楽しい夕ご飯でした。
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星空鑑賞も八ヶ岳自然教室の楽しみのひとつ。この日は残念ながら、雲が厚く、リアルの空による観望会は中止でしたが、星つむぎの村の高橋真理子さんによる室内での移動プラネタリウムを楽しみ、星座カードで創作(デコレーションしてパウチっこ)もしました。

~2日目~
9:30から15:00まで雨が止む予報にしたがって、飯盛山へ向かいました。
星つむぎの村の跡部浩一さんの楽しいお話を聞きながら、登山スタート!
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「雲の中を歩いてる!」とはしゃぐ子どもたち。
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頂上は曇っていましたが、皆で登った飯盛山はとてもいい想い出になりました。

ランチは頂上から少し降りたところにある広場で、ハンバーガー作りです!
山の上でお肉を焼いて、パン・レタス・きゅうり・トマトをそれぞれ並べて、、
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仕上げのケチャップとマスタード忘れずに。みんな自分で作ります。
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ある程度おなかも満たされたところで、少しだけ日が差してきた途端、子ども達はもう一度ピークハントに向かいました。

八ヶ岳自然教室には初めての参加だったカルテットのこども達、終始げんきいっぱいでした。
普段できないことを自然の中で色々と経験して、楽しい想い出をたくさん持って帰ってくれたのなら、私たち大人も幸せです。また元気な笑顔で会おうね

プラネタリウム・ミュージカル「あなたへの贈り物」@希望の家

戸沢財団主催にて開催している『プラネタリウム・ミュージカル』。
2017年6月、児童養護施設『希望の家』の子供たちに届けに行きました。

心魂プロジェクトと星つむぎの村のご協力により、2016年も2回、児童養護施設で開催しました。
※以前の開催については、下記よりご覧ください。
2016年9月開催: http://www.tozawazaidan.com/?p=748
2016年11月開催: http://www.tozawazaidan.com/?p=770

『あなたへの贈り物』は、児童養護施設の子供たちのために、
大切な想いを込めて特別に作ったストーリーです。

~大切なメッセージ~
キミは生きているだけで価値のある大切な存在なんだよ。
そして気がついて欲しい。生命の素晴らしさを!キミの素晴らしさを!
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『希望の家』の子どもに、チラシのデザインを作ってもらいました。
色鮮やかで、ストーリーの流れがかわりやすいイラストになっていて、とっても素敵な仕上がり。
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9月の初演から9か月間、少しずつ少しずつ改良を重ねてきた『あなたへの贈り物』。
心魂プロジェクトの『歌やダンス』に、星つむぎの村の『星の映像』がタイミングよく合わさり、
ストーリーの世界観が見事に表現され、見ている人たちはその世界に引き込まれていきます。
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ストーリーの一部では、出演を希望した子どもたちが、パフォーマンスをする場面も。
事前に、心魂プロジェクトのメンバーが歌やダンスを教えるワーク ショップをしてくれたのです。

希望し参加してくれたのは、5名の子どもたち。
ワークショップが始まるまでは、出演を迷ったり、緊張していましたが、
歌やダンスを始めた瞬間から、みんなの笑顔と笑い声が絶えず、すごい盛り上がりでした。

本番も、みんな練習してきたことを一生懸命に演じ切り、素晴らしい公演となりました。
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心魂プロジェクトの考えとして、プロのパフォーマンスに参加してもらう条件は、
お客様として参加をするのではなく、メンバーの一員として真剣に参加すること。

そのため、いつも以上に子どもたちは最後まで一生懸命やり遂げた達成感があったと思います。
公演後、涙する子や興奮が止まらない子、様々に感じるものがあったようで、
本当に貴重な経験ができたのではないかと思います。

見ていた子どもたちも、最初から最後まで集中してその世界観に入り込んでいて、
戸沢財団・心魂プロジェクト・星つむぎの村が強く込めた想いを、
必死に受け取ろうとしてくれたように感じました。
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公演後は、会場にいる全員が興奮と感動とで不思議な一体感に包まれました。

公演から数日後のお話。
心魂プロジェクトと星つむぎの村より素敵なお誘いがありました。

『はねかめ祭り』というイベントの一部として行う、『プラネタリウム・ハーモニー』という公演へ、上記でパフォーマンスをした子どもたちに出演してもらうこと。
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いろいろな奇跡が重なり、こちらも無事に実現することができました。

内部イベントとは違い、一般の方々にも見られる公演。
子どもたちみんなが、星をイメージしたお揃いのTシャツを着ることで、前回の公演にも増して
一体感が生まれ、良い緊張感の中、プロの一員として、パフォーマンスをやり遂げました。
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その笑顔は本当に達成感でいっぱいで、今後の自信にも繋がる経験となったと思います。

皆それぞれがいろんな事情を抱えて生きています。
つらい時、もうダメかもしれない・・・と心折れることが今後も出てくるかもしれません。

そんな時にこのストーリーに込められたメッセージを胸に、
強く上を向いてもらえたらと切に願います。

今後もたくさんの子どもたちへこのメッセージを届けにいきたいと思います。

[THE TOZAWAMASAMI FOUNDATION]児童養護施設の子どもたちの未来の扉を開けるために、八ヶ岳自然教室開催中。