『児童養護施設 希望の家 卒業生、未来に向かって』

社会福祉法人共生会が運営している「児童養護施設 希望の家」。そこで過ごしてきた少女が、今年4月に無事、短期大学への入学を果たしました。

児童養護施設は児童福祉法に定められた児童福祉施設の一つです。児童とは18歳未満と定義されているため、高校を卒業したら施設を退所し、自らの力で生活をしていくこととなります。

戸沢財団は、医療関係の仕事に就きたいという、彼女の輝かしい未来を少しでもサポートできたらと、学費の一部を支援することにしました。

彼女は、理想とする『将来の自分像』をしっかりと持っています。そして、その姿に近づくための計画や前向きな姿勢は頼もしい限りです。また、自分を客観的に見て、長所や短所をきちんと把握しており、それを活かせるであろう仕事、一方で仕事を通して克服していきたい点までもお話してくれました。

そして、彼女の周りには、とても温かく大切にして下さる施設の職員の方や友達がいます。彼女自身、これまでの人生で、大切にしてくれる人がいるということ、そして、自分自身も周りの人を大切にしたいという気持ちが強く芽生えたとお話してくれました。

そんな温かさに気づくことが出来る彼女なら、今後の人生においてもきっと、たくさんの人と優しい時間、温かい時間を過ごしていってくれることでしょう。
そして、理想とする自分に近づくため、しっかりと前向きに進もうと努力する彼女を、戸沢財団は今後も応援していきたいと思います。 .

神奈川県立こども医療センター(重症心身障害児施設)へ
「介護用天井走行式リフト」を寄贈

平成28年4月に、地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立こども医療センター(重症心身障害児施設)へ「介護用天井走行式リフト」を寄贈しました。

「介護用天井走行リフト」とは、施設を利用する子供たちが、車いすから床へ、床から車いすへ移動する際に使用するものです。

神奈川県立こども医療センター内にある重症心身障害児施設には、原則18歳未満の児童が、常に40名程度入所していて、成人に近い体格の児童が移動する際は、児童もスタッフも負担が大きかったようです。

施設を利用する児童を、安全かつスムーズに移動してあげることができること、そのため、児童の不安も軽減できること、また施設の関係スタッフの腰痛等の危険性を減少することが出来ることなどの理由から、寄贈することになりました。

寄贈の後、スタッフの方より、
『リフトが設置される前は、移動する際にスタッフの人数がたくさん必要でしたが、リフトのおかげでとても楽になりました。』
『スタッフの負担軽減ももちろん嬉しいことですが、何よりもリフトに乗る児童が笑顔を浮かべて楽しそうにしてくれる姿がとても嬉しいです。』
など、喜びの声が届きました。

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『児童養護施設 明生学園 卒業生の夢へのエール』

社会福祉法人山梨県社会福祉事業団が運営している「児童養護施設 明生学園」。そこで、3歳から過ごしてきた少年が、音楽家への夢を持ち、今春、無事に専門学校へ入学いたしました。

児童養護施設は児童福祉法に定められた児童福祉施設の一つですが、国の定めにより高校卒業と同時に施設を卒園しなくてはなりません。
そして、自らの力で生活をしていかなければならないのです。

戸沢財団は、彼の強いまなざし、夢への強い意志に心打たれ、学費の一部を支援することにしました。

彼は、施設の職員の方々とも当財団とも、今後の人生計画について、いろいろとお話をしました。
音楽家への道のりは、とても厳しく、生半可な気持ちではできないこと、現実にかかる費用は莫大で、勉強にアルバイトに楽器の練習と、生活も大変な状況になるであろうこと、様々なことに考えを巡らせ、たくさんお話をしました。

ですが、どんなに厳しくても、どんなに夢への道のりが遠くとも、彼の音楽に対する気持ちは非常に強く、何事にも前向きに進もうという意思が伝わってきました。

明生学園の職員の方々の深い愛情により、夢と希望を持ち、立派に成長した彼ならきっと、素敵な未来が待っていることでしょう。
そんな素敵な未来に希望を持ち、夢に向かって努力する彼を、戸沢財団はこれからも応援していきたいと思っています。

「熊本地震」への支援

2016年4月14日に熊本県熊本地方を震源とする地震が発生しました。被災された皆様ならびにご家族の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
熊本県・大分県を中心に地震が相次ぎ発生し、50人以上の方が亡くなってしまう大きな被害を受け、今もなお、5万人近くの方が避難所での生活をおくっておられます。

地震直後、被災地では混乱がおこり、支援物資を待っている方の手元に物資が届かないという状況がございました。また、余震がなかなか治まらず、支援を希望する方もすぐに駆けつけることができず、もどかしい思いでございました。

当財団でも話し合いの上、被災した方の避難状況等を踏まえ、熊本地震義援金300万円を寄付させていただきました。義援金は、管轄委員会の決定に基づき、管下の配布対象市町村へ送金され、義援金を申請する方々へ届けられます。

一日も早い復旧、復興をお祈り申し上げるとともに、ご家族・ご親族を亡くされた子供たちが少しでも希望を感じて毎日を過ごせるよう、切に望んでおります。

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